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Vol.1 未来を照らす蛍光体プレート フォスセラ®の光

Vol.1未来を照らす蛍光体プレート
フォスセラ®の開発ストーリー

NTKセラテックの注目製品について、開発現場の担当者がその開発に至った経緯をご紹介します。

フォスセラと開発の背景

開発部 部長 井口真仁

フォスセラについて

フォスセラとは、照明、ヘッドライト、プロジェクタなどの光源に使用されるLEDやレーザー(ダイオード)から発せられる青い光(励起光)を黄や緑、赤に変換するプレート型の光変換材料(蛍光体)です。

非常に耐熱性の高い無機材料のみで構成された蛍光体プレートで、これまでの常識では使用することができなかった、高い熱が加わる厳しい環境下でも使用できます。現在、当社のお客様もフォスセラを使用しての商品開発中であるため、皆さんのお目にかかる日はあともう少し先になります。

開発部 チームリーダー 傳井美史

蛍光体とは

耳慣れない言葉だと思いますが、実はとても身近な存在で、家庭でも使われる蛍光灯や白色LED照明などにも用いられています。白色LEDの場合、光源となっているのは、青い光を出すLEDです。その青い光を蛍光体によって色を変え、さらにその光を重ね合わせることで白い光を生み出しているのです。

色々な形のフォスセラ

当社の強みを駆使して生まれた製品

当社はお客様からいただく様々なご提案やニーズからインスピレーションを得て、将来的に必要となるセラミックス製品の開発を行っています。

このフォスセラについても、照明業界が抱える熱の課題を解決するべく当社にできることを模索した結果、生まれた製品なのです。当社が得意とする耐熱材料技術などを駆使して、これまでにない製品を生み出すことができました。

レーザーフラッシュライトの試作品

試行錯誤を繰り返して

フォスセラが利用される業界は、これまで当社が直接的に足を踏み入れたことのない未知の領域でした。「お客様がどのように使いたいのか」、「どのような性能を持つことが必要とされるのか」……。手さぐりの状態からの出発でした。当初はお客様が求める性能について社内で評価する設備もなく、失敗の連続でした。

しかし、失敗を繰り返しながら揉まれるうちに、徐々に必要な性能に対する理解も進んでいきました。また、必要な評価を自社で完結できるよう様々な評価機器も揃えました。試行錯誤を繰り返したことで、現在ではお客様から要求される性能に対して、最適な提案をスピーディーに行えるようになってきました。

失敗を恐れず挑戦していく

実験中の様子

開発に際しては、既存の技術資料や論文などの文献を元に検討を重ね、開発を進めていきましたが、様々な課題・問題がありました。当社ではこれまで経験したことの無い課題や問題と常に対峙することとなるため、フォスセラの開発には最後は個々のアイデアやチームの結束力が大きな力となりました。

常識にとらわれることなく自由に発想することや、失敗を恐れなかったことも製品化に結びついた大きな理由だと考えています。そのときは失敗だったとしても、まさにその失敗が別の課題への解決の糸口になったのです。

これからの照明の常識をつくる

開発室にて

先ほど申し上げた通り、社内で様々な評価が可能となったことで新たな知見やノウハウが日々蓄積されてきています。重要機密事項となるためくわしくはお話しできないのですが、新たに生まれた技術やノウハウについて特許を出願し、自社固有の技術も生み出されているのです。

現在、照明には白熱電球や蛍光灯に変わりLEDが多く用いられるようになってきていますが、今後はレーザー(LD)が技術的なキーワードになっていきます。レーザーはLEDに比べてさらに小さな領域で高いエネルギー密度を得られますので、今後の高輝度照明においては徐々にLEDからレーザーに置き換わっていくでしょう。当社もこれから生まれてくる様々なニーズを拾い上げ、新たな光を世界に届けられるよう日々の開発を進めております。

自由な発想やアイデアを大切に

当社は製造業かつ開発部という技術系の職場でありながら、フォスセラ開発チームは実に半数以上が女性社員です。最近は「理系女子」など、まだまだ女性が現場で活躍することが珍しいことで生まれたであろう言葉も耳にしますが、当社ではそのような言葉が生まれる以前から多くの女性が開発現場で活躍しています。

性別はもちろん、年齢や学歴は開発の現場には関係ありません。重要なのは、固定観念にとらわれることなく自由な発想やアイデアを大切にできるかどうか。その本質的な部分をしっかりと見据えて、私たちはこれからも技術開発を進めていきます。

今回取り上げた製品について

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